痛みの雑学シリーズ ①「痛いの痛いのとんでいけ~」本当にとんでいくのか?

ペインクリニック

痛みをテーマに、聞くと「へ~そうなんだ~」ってなりそうなものを集めてみようかと思って雑学シリーズと書いてみました。

はじめに

シリーズ①は、子供の頃からけがをした時などに親から言われたあのセリフです
「痛いの痛いのとんでいけ~」です。

誰もが一度言われたことがあり、誰もが一度は思ったことでしょう。

「飛んでいくかい!」と。。

さて、本当のところはどうだと思いますか?ただのごまかしだと思いますか?

医学的に考えてみますと、これには体のある機能が働くため、理論上効果があるかも?ということができます。

ゲートコントロールセオリー


痛みの理論に「ゲートコントロールセオリー」という言葉があります。

詳しく話すと非常に複雑であり、またいまだに初期より否定された部分や未解明な部分も多く存在するのですが、形を変え今でも根強く残っています。

図に示し簡単にお話しすると、

図1 https://www.physioprescription.com/より引用
図2

図1のように、まず人が痛みを感じるのは、ある場所から痛みの電気信号が決まった道のりを通り末梢神経から脊髄に入り、頭の方へ進み最終的に脳に伝わり「痛い!!」と感じます。

同様に触覚(体を触られたとき)も触覚の電気信号が痛みとは別の経路を通って脳に到達し「触られた」と感じます。

図2のようにこの痛みの経路と触覚の経路は別々の経路ですが、お互い2カ所の同じ地点を通ります。そこで2つの経路はお互い干渉しあいます。
また図2より痛みの経路というのは触覚の経路より道が細いのがわかります。
そこで、ある痛みが加わり痛みの経路を電気信号が走っているときに触覚が刺激され触覚の電気信号が通ると、細い経路である痛みの経路は合流地点で道を閉じられてしまいそれ以上電気信号が進めなくなります。
・・つまり痛みが脳に伝わらなくなり、、痛みがとれるというわけです。
この理論は1965年に提唱された理論ですが、はじめにお話しした通り現在ではもっともっと複雑になっており、そうとも言い切れない部分もあるのですが、簡単にお話しするとこのような感じです。賛否両論ありますが、臨床的にみると日常診療において効果あるなと感じることも多々あります。

現在治療でも利用されている整形外科の低周波治療や脳外科の脳を刺激する治療などはこの理論をもとに作られています。

まとめ

少し複雑になったかもしれませんが、「痛いの痛いの~とんでいけー!」は医学的に言うと、痛みが取れる可能性があるということになります。

みなさん、ケガだけじゃなく失恋し心に傷をおった人をみかけたら、そっと胸(心)を擦ってあげましょう。きっと楽になるはずです!(なりません

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