こうしてコロナのことをパソコンに向かって書くのは初めてです。大学病院に勤めていてこの1年半は本当に振り回されました。
高齢へのワクチン接種が開始され、大学病院もコロナ患者さんは減少傾向にあります。(まだまだわかりませんが)少し、今日までのコロナへの思い出を書いてみたいと思います。
コロナに関わらず感染症は、救命センターにいた頃から治療に関わってはいましたが、もちろん専門外です。
コロナの患者が日本で出始めた頃、正直まだ自分にはあまり関係のないことで、救急や感染症の専門の先生方の分野だろうと思っていました。それが、徐々に患者さんが増え、死亡者も増え、重症患者さんの受け入れを当院でも行うようになりました。
患者さんの治療はICU(集中治療室)で救急科の医師とICU専属の医師が協力して治療にあたります。
そのICUの専属の医師というのが「麻酔科」の集中治療部門の医師なのです。
同じ「麻酔科」である私は、その時から急にコロナが身近に迫っていることに恐怖を感じると共に、自ら勉強して向き合わなければならないことを自覚しました。
麻酔科のメインの仕事場である手術室においても、急がない手術は全て延期され、手術を行う場合も厳密すぎるほどの感染対策が行われました。
感染対策・治療方針などもまだ明確化されていない段階で、コロナに立ち向かうICUの先生方はとても尊敬でき、彼らの話を聞きながら情報を集め勉強しました。
ICUで治療の末、悲しくも亡くなられた方も多くいらっしゃいました。
毎朝のカンファレンスでコロナ患者さんの動向を聞き、そこにいたみんなが暗く悲しい顔をしていたのを覚えています。
そして今年のGW頃、感染者数がピークを迎えた第四波。ICUの病床が一杯になり抱えきれなくなった中等度~重症を逃れた患者さんのための別病棟の管理に当番で入ることになりました。
これまでもICUの管理は、もちろんしたことありましたが、日々緊張しておりました。
幸い、私の当番時には、特に大きな事柄もなく無事転院していかれました。
そんな環境で働いていることもあり、コロナに関わる医師として、とても早い時期にワクチン接種を受けさせてもらえました。
2回目のワクチンは倦怠感が非常に強く高熱に1日悩まされましたが、特に薬を飲むことなくすぐに軽快しました。
依然として、感染対策に変化はありませんが親・妻・子供にウィルスを持って帰ることへの心配がなくなったことに正直安堵したことを覚えています。
今後の見通しはまだまだ不透明ではありますが、現在コロナ患者さんは減少傾向にあります。
ペインクリニック外来をしていましても、ワクチンを接種したことで少し表情が明るくなったように思います。
いまだ、外来ブースでは1メートル以上は近づいてはならない等ルールはあるものの、診療している患者さんが、自分のせいでコロナにかかること可能性が減少したことが、嬉しくてほっとしております。
もうしばらく戦いは続くかとは思いますが、無事収束し、以前のように患者さんの痛みが取れた時握手できる日が戻ることを願っています。
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